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アースティア大陸の東に存在するグランス島。 そのグランス島においても辺境の村。 キボートス。 すべてはそこからはじまった・・・・ |
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![]() 第四章 氷炎 原案・キャラクターデザイン:氷樹一世 キャラクター原案・著:輔 |
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ジャミニス大陸。 グランス島東に位置する大陸である。 そのジェミニス大陸最大の島クレセンツはさらに東にある島であった。 アクアによりクレセンツ最大の都市シルヴァニアのルーン神殿には冥龍魔神ヴァ=イィ−ルに関する蔵書が収められていると聞いたミルフィー。 そこへ向かうべく船の調達に走った。 が、ミルフィーが名だたる傭兵でもなく、何処かの傭兵団に属し、その傭兵団の要請でもない。 たかが16歳の子供に船を、しかもジェミニスまで出すような船を貸し出してくれるような人は居なかった。 「困った・・・・」 ミルフィーは頭を抱えた。 「このままではジェミニスへ向かえない。アクアさんは何処かにいちゃってるし。」 「ミルフィーさん、コソコソ行かなくていいんじゃないんですか?」 「ジュンさん?」 「コソコソ行けば、彼らの思う壺ではないかと思うんです。」 「しかし、他人を巻き込むわけには・・・・」 「他人を巻き込むわけにはいかないのは彼らも同じじゃないですか?」 「え?」 「絶対なる六星(アボ=ス=ルート)が現れました。彼らは邪悪な存在です。倒しましょう。・・・と世界中の国々の軍隊が動いちゃいますよ。」 「逆に自分たちを表に出ることを出来ない事を逆手に取ろうってことだね。」 「はい。絶対とは言い切れませんが、コソコソするよりは良いんじゃないかと。」 「この際、しょうがないか・・・・」 ミルフィーは溜息をついた。 「定期船は三日後に出るのにしましょう。いろいろと準備があると思いますので。」 「ええ。それがいいかもしれませんね。特に女性は準備が大変ですからね。」 ジュンは糸目をさらに細めて微笑んだ。 三日後。 ジェミニス大陸へ向かう定期船にミルフィー達はいた。 「わーい。おふねっだ。おふねっだ。」 騒ぐルリア。 そこへアクアがやってきた。 「こにゃっ。」 変な悲鳴を上げたルリア。 「騒いではいけません、ルリア。」 「ひゃい。」 頭をさすっている涙目のルリアだった。 「まぁ、船なんてめったに乗らないんですから、喜んで騒いでもいいかと思いますよ。」 横にいたミルフィー。 「他のお客さんに迷惑です。」 「普通ならそうかもしれませんが・・・・」 困ったような顔をしながら、ミルフィーは別の方向を見た。 「ボク達以外の乗客の皆さんの関心はジュンさんに行っているようで・・・・」 ミルフィーの目線の先には他の乗客にもみくちゃにされたジュンがいた。 記念に羽根を抜かれるを必死にかばっている。 フェザーウォルクは珍しい種族であり、めったに出会うことはない。 中には伝説上の種族と信じて、その存在を信じていない人もいるぐらいだ。 そんな種族が目の前にいる。 今回の状況に陥ったのは必然だった。 「・・・た、大変そうですね、ジュンさん。」 「ジュンさんを助けたほうがいいんじゃないんですか?」 困ったような顔をしたシルフィ。 「助けたいのはやまやまだけど・・・・無理。」 「無理って・・・・」 「過去にも何度かああいうのがあってね。そのときは・・・・」 説明をしかけたミルフィー。 そのとき、怒声が響いた。 「やかましいっ!! 大人しく乗れないのか!?」 ミルフィーは思わず腰の剣の柄に手をかけた。 声の主が、船室へ向かう階段から上がってきた。 外へ出ると・・・黒尽くめの巨人だった。 200ニードはあろうかと巨体。 髪は血の色に近い赤黒い色だ。 「おめぇらは他人に迷惑をかけるんじゃねぇって学んだ良識のある輩だろう!? だったら、他の乗客に珍しいのがいるからって、迷惑をかけるんじゃねぇ!!」 再び吼えた。 乗客たちは一瞬止まったが、自分の客室へ逃げていった。 「ったく。おい、大丈夫か?」 「ええ。」 翼も髪もボサボサになったジュン。 羽根もいくつか落ちている。 「大丈夫です。それより久しぶりですね、ルシフェルさん。」 「やっぱ、ジュンか。」 「はい。」 「あ、あの〜。」 恐る恐るミルフィーがジュンに声をかけた。 右手は剣の柄に触れたままだった。 「この方は?」 「ミルフィーさんは知りませんでしたね。この方は前に一度組んだ傭兵さんです。」 「ミルフィーだと? ジュン、このチビガキがあのミルフィーなのか?」 「そうです。」 「ほほう。自己紹介が遅れたな。俺の名はルシフェル。『闇のルシフェル』と呼ばれている。」 「ミルフィーユです。よ、よろしく・・・」 黒尽くめの巨人の気さくな笑顔に圧倒されっぱなしのミルフィーだった。 「ジュン、今はこいつと組んで仕事か?」 「そんなもんです。」 「そうか。じゃ、楽しそうな仕事だったら分けてくれよな。」 「楽しい仕事ではないのですけど。」 「楽しくなったら呼べ。いいな。」 そう言うとルシフェルはがははと笑って自分の客室へ戻っていった。 「はぁ。」 溜息をつくジュン。 「何なんですか? あの人?」 「強い奴と戦うのが好きな人ですね〜。」 「すごく強そうですけど・・・」 「めっちゃ強いですよ〜。喧嘩売らないでくださいね。」 「売りません!」 「それならいいですけど。」 のほほんとしたジュンの顔。 いつものジュンに戻っている。 「あの、思わず戦闘モードになっちゃって観察してしまったんですが、ルシフェルさんって何処か体が悪いんですか?」 聞いちゃいけないことではないかと思いながらも恐る恐る聞いてみるミルフィー。 「どうしてですか?」 「闘気の流れが、左腕と右足が一番強くて変な感じが・・・・」 「ルシフェルさんの左腕と右足はありません。」 「へ?」 きょとんとするミルフィー。 「義手と義足です。闘気を使って動かしているらしいですよ。」 「義手と義足!?」 驚くミルフィー。 ある程度名前は有名だが、まだ駆け出しのミルフィーでも腕や足を仕事で失って引退した人は見てきている。 失ってまで傭兵をしている人は初めてだった。 「しかも、剣を学び始める前からなかったそうですから、化け物みたいですね〜。」 「な!?」 渦中の人、ルシフェル。 一人、自室で呟いていた。 「ミルフィーユ・ルーン・フェニックス。『氷炎』と呼ばれた男。マジでやりあったらまず勝てないだろうな・・・・」 まだ夜が明けきらぬ朝。 船の甲板の上に一人の男が立っていた。 200ニードはあろうかと巨体。 『獅子』と呼ばれる伝説の野獣のたてがみのような髪は血の色に近い赤黒い色だ。 黒い長いマントをまとい、マントの隙間から見える服や鎧まで黒だった。 『闇のルシフェル』と呼ばれし傭兵である。 マントをバサッとひるがえす。 黄金に輝く左腕が見えた。 自ら『黄金の左腕』と呼ぶ鎧のような義手である。 ルシフェルはその右腕を見ながらつぶやいた。 「ジェミニスで何かが起こる・・・・」 昼になるかならないか。 ジェミニス大陸西にあるクローワーサ島に船はついた。 ミルフィー達はここで船に乗り換えてジェミス大陸本島へ渡り、また乗り換えてクレセンツ島へ渡らなければならない。 先がまったく見えない旅の始まりでもあった。 「よぉ、ジュン。」 ミルフィー達が船を下りたとき、上の方から声がした。 ジュンは声のした方を向いた。 「ルシフェルさん。」 「この前、俺が言ったこと忘れるなよ。」 「呼ばなくても楽しそうな事があると現れるじゃないですか?」 「そうか?」 「ん〜。私が知っている限りでは、貴方は楽しそうな事になると沸いてきますね〜。」 「沸くって・・・お前な。」 「事実です。」 「むぅ。まぁ、いいか。おい、そこのチビガキ。」 ミルフィーの方を向いた。 「チビガキってボクのことですか?」 「お前しかおらんだろ? それとも何だ? 女男でも呼ぼうか?」 にやりと笑うルシフェル。 むっとするミルフィー。 「くっくっくっ。またどこかで会おうな。また会えるような気がするぜ。」 「今度会うときは地獄かも知れませんよ?」 「地獄か・・・それも一興だな。」 がははと笑う。 「んじゃな。」 そういうとルシフェルは去っていった。 黒尽くめの巨体なのでしばらくその姿が見えていたのだが。 その姿が消えたころ。 「何か調子狂うな、あの人と居ると。」 「ま、そんなもんですよ〜。」 「ジュンさん・・・・」 「巻き込みたくなくても、彼も巻き込んでしまったかもしれませんね。」 いつも糸目でのほほんとしているジュンの顔が変わっていた。 鋭い目つきになっている。 「・・・・・・・」 何も言えぬミルフィーだった。 「ね〜。まだ〜。」 ルリアが弱音を吐いた。 ジェミニス本島に渡ったミルフィー達は徒歩で西にあるクレセンツ島行きのある港へ向かっていた。 すでに数日が過ぎていた。 「もう少しですよ、ルリア。」 「アクア〜。ボク疲れたよ〜。休もうよ〜。」 「もう少しです。」 アクアがそう言ったとき、世界が変わった。 ミルフィーとジュンは瞬時に感じ取った。 遅れて周りの雰囲気が変わったのを感じたシルフィ。 「ミルフィーさん・・・? これって・・・・」 「絶対なる六星(アボ=ス=ルート)のはった結界・・・・」 「・・・また、私のせいなんですね。・・・私が居るから。」 「関係ない。」 「で、でも・・・」 「ボクは君を守る。」 「私、記憶まだ戻ってません。だから、私は貴方の事、わかりません。」 「・・・・記憶はゆっくりと思い出せば良いよ。」 「しかし・・・」 「・・・まずは降りかかる火の粉は振り払わないとね。」 「ミルフィーさん・・・」 「シルフィ、アクアさんたちと下がってて。」 「は、はい・・・」 不安そうな声で返事をするシルフィ。 「大丈夫だよ。」 ニッコリと微笑むミルフィー。 しかしこのとき、シルフィは嫌な予感あった。 (・・・なんか大切なものを・・・忘れている大切なものを亡くすような気がする・・・) 「ジュンさん。」 「ミルフィーさん。ここは私にやらしてください。いや、私がやらないといけないのです。」 「どういうことですか?」 「この結界を張ったのは・・・フェザーウォルクを滅亡寸前まで追い込んだ死神・・・」 「!?」 「出てきなさい。絶対なる六星(アボ=ス=ルート)の一人、『災害』カ=ラミ=ティ!」 鋭い目つきのジュンがほえた。 「やっぱ気がついていたか。」 空間が裂けるとそこから一人の男が出てきた。 巨大が大鎌を無造作に持っている。 「久しぶりだな・・・というほどたってねぇな。疾風のジュンよ。」 「そうですね。」 「ん? ああ、そこの小娘か。シャ=ドゥが連れて来るの失敗した。」 「渡しませんよ?」 「力ずくで連れてくぜ。」 「できると思っているんですか?」 「やってみなきゃわからねぇな。」 「私の力、あまく見てないんですね。」 「六対十二枚の翼を持つウェザーウォルク。ふつーじゃねーんだから、ふつーの強さじゃないんだろ?」 「・・・・・・私はこういうのは好きではありません。が、言わせてもらいます。同族の敵を取らせてもらいます。」 無造作に空間に穴を開け、手を突っ込んで双戦斧グランドフォーチュンを取り出したのだった。 絶対なる六星(アボ=ス=ルート)の一人、『災害』カ=ラミ=ティでも、ディメンションソードを持つ『氷炎』のミルフェーでも気がつかなかった存在がはるか上空に存在した。 強大な鎚を持った男。 その男こそ、絶対なる六星(アボ=ス=ルート)の一人、『破壊』ディス=クラク=トであった。 「さて、見せてもらおうか。貴様らの力を・・・・」 |
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